自分に足りない栄養素をスイーツで補給!セルフケアブランド「MOON TREATS」に込められた思いとは?
株式会社eminess CEO 小松 佐保さん
食領域に特化したブランディング・マーケティングコンサルタントとして国内で経験を積んだ後、渡米。現地ボストンで米国代替医療協会認定IINヘルスコーチの資格を取得する。帰国後に株式会社eminessを設立、女性のためのセルフケアブランド「MOON TREATS」を立ち上げる。
栄養バランスのとれた食生活は理想的ですが、実行するのはなかなか難しいもの。そんなとき、自分に足りていない栄養素をとれる食品を送ってくれるサービスがあったらどうでしょう?しかもそれがスイーツだったら?
今回は、不足している栄養素の検査キットとスイーツボックスを組み合わせ、食生活から女性の健康課題にアプローチするブランド「MOON TREATS(ムーントリーツ)」の創業者の小松さんにお話を伺いました。
どうせやめられないなら、いいものを。生理の課題にスイーツからアプローチ
ー「MOON TREATS」のパーソナルスイーツボックスとはどのようなサービスですか?
オンライン問診または毛髪検査キットで栄養摂取状況を調べ、最適なスイーツボックスを毎月お届けするサービスです。
スイーツは栄養素に応じて4種類用意しており、それぞれ、タンパク質とビタミンCを含むスイーツのはいった「Beauty」、鉄分を含む「Energy」、カルシウムやマグネシウムを含む「Relax」、食物繊維やカリウムがたっぷりの「Detox」があります。
オンライン問診はウェブ上で完結する簡単なものですが、毛髪検査キットはご自身の髪を郵送していただき、12種類の必須ミネラルの量を測定、結果の解説と食生活のアドバイスを医師から聞くことができます。
ー不足している栄養素の診断サービスとスイーツの組み合わせというのは珍しいですね
PMSで悩んでいる方は多いと思うのですが、それが摂取栄養素と関係していることを知っている方は多くないと思います。
スイーツの切り口から食生活にも目を向けてみてもらえたら、そして、食生活が改善されることでPMSの緩和につながればと思い、このブランドをスタートしました。
生理前って、どうしても甘いものが欲しくなりますよね。私も食にはかなり気を遣っている方ですが、どうしてもやめられなかったのがスイーツでした。コンビニスイーツを買ってしまって、ただでさえ荒れやすい生理前の肌が余計に荒れてしまい、自己嫌悪に陥った経験もあります。
同じように生理前にどうしてもスイーツが食べたくなってしまってやめられないという声を多く聞いていたので、まずはスイーツから食生活改善にアプローチできないかと思い、「MOON TREATS」を立ち上げたんです。
ー全種類が食べられる「MOON BOX」をいただきましたが、どれも美味しかったです
ありがとうございます。
「MOON TREATS」のスイーツはすべて元マリオットホテルのパティシエでもある、吉井シェフが手作りしています。
ビーガンを始めとして、ヘルシーな食品は我慢をするイメージも強いと思うのですが、シェフと協力して何度も試作を繰り返し、必要な栄養素を豊富に含みながら、味にも妥協しないオリジナルのレシピをつくり上げました。
お客さまアンケートでも味への評価は高く、97%の方が「おいしい」と言ってくださっています。
ーなぜ、ビーガンスイーツなのですか?
体にも環境にも優しいからです。私はあまり生理痛がない方ですが、それは幼い頃から母が栄養バランスを考えた食事をつくってくれていたからだと思っています。食は健康の基本ですよね。
ブランドを始めてから自社の商品をよく食べるようになりましたが、そのおかげでスイーツを求めて毎日コンビニへ通うこともなくなりました。肌の調子もいいですが、何より体によくないものを食べているという後ろめたさがないのがいいですね。
また、ボストンで暮らしていたときに、ビーガン食は地球環境を守る選択でもあると知りました。体にも心にも、そして地球にもいいスイーツなら、前向きな気持ちで口にできるのではないでしょうか。
生理は個人ではなく社会の問題ーブランドに込められた働く女性への思い
ーサービスを開発した経緯について、もう少し聞かせてください
もともと食関連の企業や団体のコンサルティングの仕事をしていて「食」に関心を抱いていたので、食を通じて、女性の悩みを解決できたらと考えていました。
女性がこれだけ働くようになってきている一方で、日本では生理の悩みをなかなかオープンには話せない文化もありますし、生理によって低下する労働生産性やパフォーマンスについてはまだ解決されていない課題です。ここにアプローチできたらと考え、さまざまな文献にあたっているなかで、PMSと摂取栄養素の関係に関する論文を見つけたのです。
ーご自身がそれほど生理に悩まれていないなかで、生理の課題に目が向いたのは何かきっかけがあるのですか?
コンサルタントとして働いていた当時の同期で、毎月生理で休むほど生理痛が重い方がいました。起きられないほどの痛みは私には想像できませんでしたが、朝から晩まで働かなければ成り立たないような激務のなかで、生理のために毎月仕事がストップしてしまうんです。生理があるかないかだけで男女差が出てきてしまうことに当時から疑問を感じていました。
ーコンセプトを実現するにあたって、大変だったことはありますか?
すべてが大変でした。事業戦略を計画する段階では、コンサルタントの経験が生かせましたが、戦略をどう実現するか実行まで落とし込む部分は初めての領域です。誰がどこで生産するのか、価格は何円まで下げられるのか、細部まで判断と決定をし、実行していくのは想像以上の大変さでした。
またスイーツは賞味期限があり、品質保持のためには冷蔵保管も必要で、流通にもコストがかかります。事業化が大変な領域だと知ってはいましたが、女性の心身を食の分野でサポートするというビジョンを叶えられると信じて突き進みました。
ー実際にローンチしてみて、いかがでしたか?
最初は自分自身がターゲットのような形で、30代の働く女性の購入を想定していたのですが、蓋を開けてみたら、そういう方はもちろん、幅広い年齢層の方からご支持いただくことができました。
生理の始まった娘の鉄分不足が気になるからと購入してくださるお母さんもいますし、妊娠中・授乳中で食べるものに気を遣っている方も根強いファンです。生理以外にも女性の悩みは一生つきまとうものなんだということを実感しました。
今は生理に限らず、変化していく女性の体と心を食でサポートすると広く捉えて、ブランドづくりをしています。
食の切り口で、生理の課題を解決できる方法を模索していきたい
ー「MOON TREATS」の仕事でやりがいを感じられるのはどんな時ですか?
やはり、お客さまから直接お言葉をいただけると嬉しいですね。
「ブランドコンセプトも味も大好きなので協力します!」とお客さまインタビューに協力いただける方、百貨店のイベントでは「ネットで買っておいしかったからリアルイベントに来た」と初日に開店と同時にいらしていただける方、そういったお客さまの言葉を聞くと、大変な毎日が報われます。
ー「MOON TREATS」の今後の展開を教えてください
メディアにも取り上げていただくなどサービスの認知度は高まってきていますが、まだもっと多くの方に知っていただきたいと思っています。より多くの方にこのブランドを届けていけるよう、運営体制を強化していくのが今の課題です。
一方で、もっとダイレクトに生理の悩みにアプローチできるようなサービスもやっていきたいという思いもあります。今は栄養素の診断をした後はお勧めのスイーツボックスを提供していますが、ゆくゆくは診断結果に応じて食事まで提供できたらとも思いますし、生理の悩みを解決できる手段は食だけではないとも思っています。いずれにしても、女性の心身の悩みをサポートしていけるようなブランドであり続けたいですね。
ーピルモット読者へのメッセージがありましたら、教えてください
生理の悩みについて積極的に情報をとりにいっていない10〜20代の方にも生理痛の解決方法などの情報が届くようにといったサイトの狙いをお聞きして、私たちのブランドとも共通点があると感じました。やっぱり、もっとオープンに生理の悩みが話せるようしていきたいですよね。
「生理について学ぼう」だと話題としても堅いですし、ハードルもあがりがちですが、スイーツにした理由は女性ならほとんどの人が好きだし、気軽で入りやすいだろうと思ったという側面もあります。「MOON TREATS」のスイーツが、皆さんの健康と食生活を見直すきっかけになればうれしいです。
MOON TREATS ウェブサイト(サイトからご購入可能) https://moontreats.jp/
この記事を書いた人
性教育・フェムテック領域に興味津々な20代のメンバーで構成される、ピルモット編集部による記事です。