ミレーナで子宮筋腫が小さくなる?ほかの治療との違いやデメリットも解説

公開日 2022-02-04 更新日 2022-02-04

記事監修医

フィデスレディースクリニック

松本智恵子先生

滋賀医科大学卒業。京都大学医学部婦人科学産科学教室に入局後、 大津赤十字病院、洛和会音羽病院などを経て、フィデスレディースクリニックで勤務。
産婦人科専門医、日本女性医学会会員。

ミレーナで子宮筋腫が小さくなるという話を聞いたことはありますか?

本記事では、ミレーナを挿入して実際に子宮筋腫を小さくする治療ができるのか、ほかの子宮筋腫の治療との違いやミレーナを挿入する場合のデメリットについて解説します。子宮筋腫をもっているけど手術はしたくない、と思っている方はぜひ参考にしてください。

ミレーナを挿入しても子宮筋腫は治らない

子宮筋腫は、女性であれば誰でもできる可能性のある疾患です。無症状のことも多く、健康診断で見つかることもよくあります。筋腫はできる部位によって種類があり、子宮の外膜にできて外側へ巨大化する「漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)」子宮内膜にできて子宮の内側に成長する「粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)」子宮の筋層にできる「筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)」があります。

子宮筋腫の治療には、筋腫を取り除く「手術」と、筋腫を小さくする「薬物療法」、筋腫による過多月経や月経困難症などの症状を軽くする「対症療法」があります。
子宮内にミレーナを挿入する方法は対症療法のひとつで、筋腫のサイズが大きくなるのを防げる可能性はあるものの、筋腫そのものを治すことはできません。子宮筋腫はとくにサイズが小さいものであれば治療が必要というわけではなく、検査を受けながら対症療法をしている方や様子を見ているだけの方もいます。

とくに、粘膜下筋腫はほかの筋腫より生理の期間が長く、経血量も多くなりやすいため、貧血やひどい生理痛を引き起こしやすいです。子宮筋腫の症状が強くあらわれている場合や子宮筋腫のサイズが大きくなっている場合には、治療を勧められることもあるでしょう。また、子宮筋腫は不妊や流早産の原因にもなるため、妊娠希望があるなら筋腫核出術も検討してみるといいでしょう。

ミレーナで子宮筋腫が小さくなる?

ミレーナは筋腫に直接作用するのではなく、子宮内膜が厚くならないことで生理の量を減らす作用があります。ミレーナでは筋腫を小さくできないものの、経血量が減ると生理痛もラクになります。

子宮筋腫によって、引き起こされている過多月経や月経困難症に対してミレーナが用いられる場合には、治療目的のため保険適用です。避妊目的でミレーナを挿入すると、自費で4〜10万円前後かかりますが、保険が適用されると1万円程度に抑えられます。

子宮筋腫は良性腫瘍ですが、卵巣から分泌される女性ホルモンの作用によってどんどん大きくなることがあります。閉経すると女性ホルモンが分泌されなくなるため、治療をしなくても小さくなることがあります。筋腫のある部位やサイズ、個数によっては経血量が増えて、過多月経や過長月経となって貧血をひきおこしたり、生理痛がひどくなったりします。

生活に支障がでると手術が頭をよぎりますが、うまくいけば対症療法でも生活の質をキープできるはずです。子宮筋腫は、放置しているとサイズが大きくなって周囲の臓器を圧迫することで、頻尿や腰痛などの症状を起こす可能性もあります。大きくなりすぎていないかどうかを、定期検診で確認するようにするといいですね。

ミレーナとは

ミレーナは黄体ホルモンを少しずつ出して、ピルに似た働きをする避妊具です。子宮内膜が厚くならないため受精卵が着床しにくく、経血量が減って生理痛も軽くできます。
5年程度入れっぱなしで、日々の生活はほとんど変わらないこともあって、世界中の女性に使用されています。閉経前の女性に対して子宮筋腫による症状を軽減する方法としても使われることがあります。

手術をしないで子宮筋腫を治療する方法

手術をせずに子宮筋腫を治すには、卵巣から分泌される女性ホルモンを減らす必要があります。治療は2通りで、ホルモン注射なら4週間に一度通院し、点鼻薬は毎日2回点鼻します。治療を長期間続けていると更年期症状がでるリスクがあり、治療できるのは半年間だけです。子宮筋腫のサイズを小さくしてもまた大きくなるため、手術前や閉経前の一時的な治療として用いられます。

ピルも子宮筋腫の治療で使用されますが、目的はミレーナと同じで月経困難症による症状の緩和です。ピルはミレーナと違って毎日服用する必要があるため、忙しい方や普段から薬を飲む習慣がない方は飲み忘れるリスクがあります。また、ミレーナはほぼ子宮にだけ作用しますが、ピルは全身に作用することで副作用がおこりやすいです。
40歳以上の方や喫煙習慣のある方は慎重投与となります。そのほかにも腹腔鏡手術やUAE(子宮動脈塞栓術)など体への負担や傷の小さな方法もあり、治療をしても妊娠できる方法はいくつかあります。

子宮筋腫でミレーナを挿入するデメリット

ミレーナの挿入には適切なタイミングがあります。生理終わりかけ頃が目安で、多少経血が出ていても可能です。ミレーナを挿入して子宮筋腫が大きくなるのを抑えても、脱落や不正出血などの副作用もあります。一般的には脱落した後にすぐ再挿入することができますが、子宮筋腫があって抜けやすい場合はミレーナの挿入が適切でないと判断されるため、再挿入はしないことが多いでしょう。子宮筋腫が大きい、筋腫による子宮の異形、性感染症や妊娠の可能性など最初から挿入できない場合もあります。

まとめ

子宮筋腫の治療の選択は、状況や症状によって異なるため、婦人科の医師と相談して治療方法を検討するのが良いでしょう。子宮筋腫のサイズが小さいうちなら挿入しても脱落する可能性は低く、経血量が多いときや重い生理痛があるときに、症状を緩和できるミレーナはとても有効な方法です。
ミレーナ挿入中は避妊もできるので、妊娠を希望しないのであれば子宮筋腫の症状を緩和するひとつの選択肢として検討してみましょう。

参考文献

子宮筋腫|日本婦人科腫瘍学会
子宮筋腫とは|日本産婦人科学会
子宮動脈塞栓術(UAE)について|つくばセントラルクリニック
避妊リング(ミレーナ)とは|的場ウィメンズクリニック

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