生理痛がつらい…病院に行った方がいい? 受診のタイミングや病院の探し方まとめ

公開日 2021-10-05 更新日 2021-10-05

記事監修医

フィデスレディースクリニック

松本智恵子先生

滋賀医科大学卒業。京都大学医学部婦人科学産科学教室に入局後、 大津赤十字病院、洛和会音羽病院などを経て、フィデスレディースクリニックで勤務。
産婦人科専門医、日本女性医学会会員。

生理前や生理中にイライラしたり、お腹が痛くなったりすることは誰しも経験があるかもしれません。その中でも、薬が欠かせない、起き上がれないことがある、集中力が続かないなど、日常生活に影響が出るほどの生理痛に悩まされている場合、病院に行っていいのか迷うことも…。「生理痛で病院に行っていいの? 」「いつ、どんなタイミングで病院を受診するべき? 」などの疑問について、まとめてみました。

生理痛の原因とは

はじめに、生理痛の原因について見ていきましょう。「生理痛」とひとことで言っても、その症状や重さは人それぞれです。

多くの人が体験する生理痛

生理痛は、一般的には生理が始まると、下腹部痛、腰痛、頭痛、気持ちが悪い、イライラするなどの症状ががあり、生理終了後に症状が消える、または軽減しますもの。症状の違いはあれど、多くの人が経験したことがある痛みや不快感ですね。そして、その症状が重いものを「月経困難症」といいます。

月経困難症は、病気が原因ではない「機能性月経困難症」と病気が原因の「器質性月経困難症」の大きく二つに分けられます。

「機能性月経困難症」は、生理の時に血液を外に出すために子宮を収縮させる物質である「プロスタグランジン」が多く分泌されることで、子宮が収縮しすぎるため、強い痛みを感じます。
体が成長途中の若い方は、子宮の出口が狭いため、血液を少しずつしか出せず、血液を出そうと子宮が過度に伸縮するため、痛みを感じることもあります。
また、運動不足やストレスなども原因になるといわれています。

痛み止めを飲む、下腹部を温める、ストレッチをすることは、痛みを和らげるのに有効ですが、ホルモン剤などでの治療法もありますので、生理がつらいときには我慢せず、病院を受診しましょう。

病気が原因の生理痛

「器質性月経困難症」は、子宮や卵巣に原因となる病気があり、それが理由で痛みが出ています。考えられる主な病気は以下のようなものがあります。

・子宮内膜症

子宮内膜という組織が、本来あるべきではない骨盤内や卵巣など、子宮以外の場所で増えてしまう病気。卵巣機能の活発な20~30歳代の女性が発症することが多く、痛みや炎症、出血、癒着(ゆちゃく)の原因となり、生理痛が重くなることがあります。

・子宮筋腫

子宮の筋層と呼ばれる場所にできる良性の腫瘍です。女性の2~4割にみられるといわれており、30~50代に発症することが多い症状ですが、10~20代の女性でもみられることがあります。
腫瘍ができる場所によって、子宮の内側なら「粘膜下筋腫」、子宮の筋肉の中なら「筋層内筋腫」、子宮の外側なら「漿膜下筋腫」と分類されます。できる数や大きさによってその症状は変わりますが、生理痛、過多月経、下腹部痛、腰痛、頻尿などの症状があげられます。

・子宮腺筋症

子宮内膜のような組織が子宮の壁である子宮筋層内で増えてしまい、その結果、子宮全体または筋層の一部が厚くなり、子宮が大きく膨らんでしまいます。症状は貧血症状、生理痛、過多月経などがあり、強い痛みとともに出血が増えます。生理が終わっても痛みが数日続くことがあります。

また、感染症も生理痛と似たような症状が出ることがあります。例えば、クラミジアに感染すると、通常は無症状のまま潜伏しています。症状がある場合には、おりもの量や様子がいつもと変わったり、生理痛のような痛みや発熱、不正出血などがあり、放っておくと不妊の原因になることもあるといわれています。

感染症は月経困難症ではありませんが、生理痛がひどい場合は、子宮の病気だけでなく、感染症であることも考えられますので、早期に発見して治療することが必要です。

月経困難症の症状は?

すでに症状としてご紹介していますが、月経困難症の症状をまとめます。以下のような症状にあてはまる場合は「月経困難症」の可能性があります。

  • 強い頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、食欲不振、イライラ、憂鬱、疲労感
  • 学校や仕事を休んだり、家事ができなかったり日常に支障をきたすほどの痛み
  • 生理中の経血が多い
  • 痛み止めが効かない
  • 痛みがだんだん痛くなる
  • 生理中以外でも痛みを感じることがある
  • 排便や排尿の時に痛い

病院に行く目安と受診する診療科

病院を受診する目安としては、生理の時に経血が多い、また、日常に支障をきたすような痛みがある、不調を感じた場合や痛み止めが効かないときなどです。一度、受診してピルなどの治療をすると、症状が軽くなる可能性があります。生理痛が重いときには、何か病気が隠れている可能性があります。

つらいと感じたり、何よりも日常生活を心地よく送ることができていないなら、「生理痛で病院なんて」と思わずに、受診しましょう。

生理痛についての相談先は「婦人科」となります。何度か通うようになる可能性があるので、家から近いか、学校や職場から近いか、必要なら女性医師がいるか、受診はいくらかなどを調べて、自分にあった病院を探してください。

病院を受診するタイミングは? 生理中に受診してもいい?

検査などをする場合は、出血していない方がいい場合もあるといわれていますが、多くの医師は、生理中に受診しても構わないと考えているようです。

受診のタイミングは生理前後でも生理中でもいつでも問題ありません。気になるようなら、病院に生理中の受診について事前に相談するとよいでしょう。

ー診察準備と費用

病院にもよりますが、問診の時に、生理周期、生理の日数、最終の生理日、初経の年齢などを聞かれることがあります。医師に伝えたい症状などと一緒にメモなどをしておくのがおすすめです。

問診に加え、触診や内診、状況により、尿検査や血液検査をはじめとした検査が行われる可能性があります。

費用については、初めて受診する場合は初診料がかかります。その他にも行う検査によって費用が異なりますので、病院のホームページなどで確認するか、電話などで事前に確認しておくと安心です。

また、継続して治療を行う場合、低用量ピルなどを処方されると、1シート(1カ月分)で2,000~3,000円ほどかかりますので、2回目以降も費用の確認をしておくと準備万端です。(金額はあくまで目安です)

生理痛は人それぞれ

生理痛の重さや感じ方は人それぞれ。生理痛くらいで病院に行っていいのかな、どんなタイミングで行けばいいの? 病院に行く基準は? など、人と比べることができず、不安になってしまうことも多いかもしれません。

痛みの裏側には病気が隠れているかもしれませんし、生理の度に感じるつらさを少しでも取り除ける可能性があるのなら、病院で相談しない理由がありません!

生理中に少しでもハッピーに過ごせるようになるように、生理痛がひどいと感じた時には、ためらわず、病院を受診しましょう。

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