女性は損?女性は得?「ジェンダー平等」について考えてみよう

公開日 2022-03-11 更新日 2022-03-11

女性のための情報発信をするサイトをつくるべく情報収集していると、「フェミニズム」や「ジェンダー」などの言葉に出会うことが多いです。ぼんやりとしたイメージはあったけれど、よく調べてみると気づくことがたくさんありました。
ピルモット読者の皆さんも、一緒に考えてみませんか。

フェミニズムって?フェミニストってどんな人たち?

最近よく耳にするようになった「フェミニズム」という言葉。

「フェミニズム」や「フェミニスト」に対して、苦手意識を持っている方もいるかもしれません。しかし、「フェミニスト」は、SNSで女性の権利を過激に主張し、ときに男性差別とも取れるような発信をする人ではないのです。

フェミニズムは、19世紀末に欧米で始まった、女性にはなかった参政権や相続権などの権利を求める運動が始まりです。その後、女性の権利は政治的な権利だけでなく、性的な自己決定権も含むようになっていきました。フェミニズムは、従来の性差のある社会から、性差を少しでも縮めることで、ジェンダー平等な社会を実現しようとする考え方です。

保健の授業でも聞く「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」もフェミニズムと関係が深い権利です。避妊や生殖について、本人の意思が尊重されるべきという考え方ですね。

フェミニズムは、女性のものと思われがちですが、本来はどんなジェンダー(社会的、文化的につくられる性別)かによらず、平等に扱われる社会を実現していこうとする考え方や運動です。そのような思想に賛同し、ジェンダー平等な社会を目指す人をフェミニストと呼びます。

男性の視点から社会を問い直す「男性学」もある

フェミニズムと関連して、女性の視点や経験から、社会を問い直す学問として、1960年代のアメリカで、「女性学」が始まりました。その後、女性学は日本にも入ってきているので、女性学について聞いたことのある方もいるかもしれません。

しかし、生きづらいのは本当に女性だけなのでしょうか?ジェンダーによる「らしさ」の押しつけ男性にもあります
たとえば、「男ならそんなことでめそめそするな」とか、「男のくせに、稼ぎが少ない」などの言葉をかけられている男性を目にしたことはありませんか。このような「男性ならば、こうあるべき」という社会からのプレッシャーに、生きづらさを感じる男性もいます。

そのような男性特有の生きづらさを研究するのが、「男性学」です。女性の視点や経験から社会を問い直す女性学に対し、男性の視点や経験から社会を問い直していこうとする学問のことを男性学といいます。女性が生きづらいことは男女の賃金格差をはじめとした多くの統計が示していますが、そのことは男性特有の生きづらさをないことにするものではありません。

男女の枠に属さない人たちもいる

ここまで、男女の話をしてきましたが、ジェンダーは男性と女性のみではありません。最近、アンケートでも、性別記入の選択肢に「その他」や「答えたくない」を用意しているものが増えましたね。出生時の性別と自認する性別が一致していることシスジェンダーと言いますが、そうではない人々もいるのです。

歌手の宇多田ヒカルさんが男女の枠に属さない性自認の一つ、ノンバイナリーであることを公表したことは記憶に新しいでしょう。人間の性自認は、男性と女性の二つに分けてしまえるほど単純ではありません。

トランスジェンダーは聞いたことがあっても、ノンバイナリーは聞き慣れない言葉かもしれませんね。ジェンダーを男性と女性二つの対立する概念として理解するバイナリーに対し、それ以外のジェンダーもある、とするのがノンバイナリーです。

ノンバイナリーのなかにも多様性があり、ジェンダーが「ない」と思っている人自分のジェンダーを決めたくないと考えている人ジェンダーが日や状況によって変化する人など、さまざまな人がいます。

ノンバイナリーをはじめとした、男女の枠に属さない人々は、シスジェンダーの男性や女性とはまた別の生きづらさに直面しています。多くの場面で、男性か女性のどちらかに属することを求められるこの社会には、男女の枠に属さないジェンダーが想定されていない制度や構造が多く残っています。更衣室や一人称、敬称の問題などはその一部です。

まとめ

どのようなジェンダーであるかによって、差別や不利益を受けているのは、シスジェンダーの女性だけではないことがわかっていただけたと思います。
SDGsの17の目標にも入っているジェンダー平等ですが、ジェンダー平等は、決して男女平等のみを意味するわけではありません

男女の対立で終わるのではなく、すべてのジェンダーの人々が生きやすくなるように、ジェンダーによる差別のない社会を目指していきたいですね。

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