コンドームの使用方法をきちんと知りたいという女性も多いと思います。コンドームは妊娠や性感染症を防ぐための大事な避妊具ですので、男性も女性も正しい知識をもっておくことは大切です。

しかし、性に関する疑問は気軽に聞けないため、どこから情報を得ればいいのか困ってしまいますよね。性的なワードはアダルトサイトなどにつながることもあり、検索しにくい問題もあります。

そこで本記事では、性に対する正しい認識を深めてもらうため、コンドームの基礎知識をまとめました。

コンドームってなんのためにある？

医療器具であるコンドームを正しい使い方で続けることで、98％の避妊効果が得られます。ですが、正しくない使い方をしている場合や、使用中に破れたり外れてしまったりというトラブルなども考慮すると、避妊効果は82％まで低下します。

コンドームだけでの避妊効果はやや低いですが、コンドームを使えば性感染症や子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス（HPV）などの感染リスクを減らす効果も期待できますので、低用量ピルなど他の避妊方法をとっている場合でも、コンドームを併用することが理想的です。

オーラルセックスで性感染症にかかってしまうこともあります。可能であれば、フェラチオするときにもコンドームを付けましょう。コンドームが傷つき破れてしまう可能性があるので、挿入の時には新しいコンドームを使用してください。
正しい知識で妊娠や性病のリスクを減らせば、パートナーとも安心してお付き合いができるはず。本文中では女性ならではの悩みにも回答していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

コンドームの選び方

コンドームは男性の性器に被せて使用するゴム製の避妊具で、細長い風船のようなつくりをしています。商品によって、サイズや素材、薄さなどに違いがあります。

実際に購入しようと思っても、どう選べばいいかわからないですよね。合わないものを選んでしまうと、最悪の場合、避妊を失敗してしまうリスクがあるため注意が必要です。

そこで本章では、コンドームの選び方をご紹介します。

適したサイズを選ぶ

コンドームを選ぶ際、特に気を付けてほしいのがサイズです。
サイズが合っていない場合、コンドームが破けてしまったり、中で抜けてしまったりといったトラブルにつながりやすくなります。

コンドームには、S・M・L・XLの4つのサイズがあります。
サイズを表す基準は、長さではなく「太さ」。つまり、男性器の太さに合わせてコンドームのサイズを選べばいいのです。

標準はMサイズで、直径は3.5cmほどになります。目安として、トイレットペーパーの芯にちょうどよく収まるサイズがM、すき間があればS、穴の中に収まらなければL以上と考えましょう。

これは男性器が大きくなった際のサイズなので、女性側からすると少しわかりにくいかもしれません。細かな感覚の違いもあるため、できれば男性自身に選んでもらうといいでしょう。

素材や薄さを選ぶ

素材や薄さは、本来の避妊や性感染症予防には直接関係のない部分ですが、お互いの好みに合わせて選ぶのもいいでしょう。

コンドームの素材としては、ラテックス製（天然ゴム）やポリウレタン製の製品があります。

それぞれの特徴は、以下のとおり。

コスパがよく、種類も多いのがラテックス製ですが、ゴムアレルギーの方は使用できないため注意しましょう。

薄さを重視したい場合はポリウレタン製がおすすめですが、伸びがいまいちで使用しにくいデメリットもあります。薄さの表記として0.01㎜、もしくは0.02㎜と記されている製品はポリウレタン製です。

薄さは感度に関係する部分。こちらも男性の意見を尊重したほうがいいでしょう。早漏の人などは、早く終わらないためにあえて厚い素材を選ぶ場合もあります。

また、商品によっては女性が痛くないようコンドームに潤滑ゼリーが付着したタイプもあります。

形状を選ぶ

コンドームには形状にも違いがあります。
ストレートタイプが一般的ですが、ほかにも亀頭部分にゆとりがある「こけしタイプ」や、精液だまりがない「リアルタイプ」、表面に粒子を加えた「粒加工タイプ」なども売られています。

一般的なコンドームでは合わない場合には、形状から選んでみてもいいかもしれません。

コンドームの付け方・使い方

次に、コンドームの正しい付け方・使い方をご紹介します。

以下は、コンドームを装着する際の基本的な手順です。

(1)袋からコンドームを取り出します。
コンドームを破かないよう、端に寄せてからそっと袋を破きましょう。
(2)コンドームの裏表を確認します。
外に向かって巻き上げているほうが表です。
(3)空気だまりの空気を抜きながら、男性器の先端にコンドームを被せていきます。
(4)指のはらを使い、コンドームを根元まで巻きおろします。
爪が当たらないよう注意してください。

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コンドームを装着する際は必ず勃起状態でおこないます。
裏表を間違えると装着しにくくなり、破損しやすくなるため気をつけましょう。爪による破損にも注意しましょう。

また、コンドームを付けた状態では摩擦が大きくなります。挿入前には女性側の準備が整っていることを必ず確認しましょう。挿入時に痛みがあるようであれば潤滑剤を使用してみてください。

コンドームの外し方・捨て方

射精後は勃起状態から緩んでいくため、精液が腟内にこぼれてしまわないようすぐに腟内から抜き取りましょう。腟内で外れてしまわないよう、コンドームの根本を指で押さえながら引き抜きます。

男性器から外したコンドームは、口を縛ってから、可燃ごみとして捨ててください。トイレには流せません。

@pillmotto コンドームの捨て方覚えておこう！#性教育 #コンドーム #性感染症 #パートナー #TikTok教室 #おすすめにのりたい ♬ U MAKE ME GO - Who's That Girl?

なお、一度使用したコンドームは再利用できません。洗っても精子が残っている可能性がありますし、破損や抜けが起こりやすくなってしまいます。必ず1回につき1個、新しいものを使用しましょう。

コンドームの価格と購入できる場所

コンドームを購入できる場所は、主に以下の3カ所です。

• ドラックストア
• コンビニ
• ネット通販（Amazonなど）

妊娠や性感染症を防ぐための医療器具であるため、年齢制限などもなく、手軽に購入できるようになっています。ネット通販では、中身がわからないように包装しポスト投函してくれるサービスもあります。

価格帯は商品によってさまざまですが、一般的なラテックス製のコンドームで、1個あたり20～80円ほどで購入できます（10～15個ほどのセット商品が多いです）。ポリウレタン製だともう少し高く、1個あたり100円以上の商品がほとんどです。

最近では女性でも買いやすいデザインの商品も人気があり、おすすめです。
どれを買えばいいかわからない場合は、パートナーと一緒にネットで人気商品を検索してみてもいいかもしれませんね。

コンドームを付けてもらうタイミングと伝え方

コンドームは挿入前に、勃起状態で装着します。コンドームを付けない状態で、性器同士が接触しないようにしましょう。
また、射精の直前だけ装着しても意味がありません。微量ですが、射精前にも精子が出ているといわれているため、コンドームを付けずに挿入すると、射精していなくても妊娠する可能性があります。

また、女性の場合、パートナーがコンドームを付けてくれないこともあるかもしれません。

性の話は伝えにくいため、なかなか自分からは言い出しにくいですよね。ムードを壊したくないという気持ちもあると思います。

そんなときは、パートナーがイヤな気持ちにならないような伝え方をしてみてはいかがでしょうか。例えば、「中でイッてほしいから」「生でするのは結婚するまでとっておきたい」など……。

意図しない妊娠をしてお互いの関係がうまくいかなくなることがあるので、ときには断ることも大事です。あなたの頼みに応じてくれないようなパートナーであれば、本当にあなたを大切にしてくれているとはいえません。

日頃から避妊についてパートナーと話しておき、性交渉の前には必ずコンドームを用意しておきましょう。

コンドーム使用時のトラブルと対処法・注意点

次に、コンドーム使用時によくあるトラブルと注意点をご紹介します。

コンドーム使用時のトラブルと対処法

コンドーム使用時には、次のようなトラブルが起こることがあります。

＜コンドーム使用でよくあるトラブル＞

• 裏表を間違えた
• 破れた
• 腟内で外れた

コンドームは暗い部屋で使用することが多いため、裏表を間違えてしまったり、破けてしまったりといったトラブルが起こることがあります。サイズが合っていないと、腟内でコンドームが外れてしまうことも。

もしも射精後にトラブルに気づいた場合は、必ず対処を行いましょう。

緊急避妊の方法として、アフターピルがあります。
アフターピルとは、排卵を抑制するホルモン剤（錠剤）で、72時間以内に飲むことで妊娠のリスクを減らします。100％妊娠を防げるものではありませんが、服用が早ければ早いほど避妊効果が高まります。

アフターピルは婦人科で処方してもらう医薬品で、薬局では購入できません。

アフターピルの価格は医療機関にもよりますが、1万5千円ほど。最近ではオンライン受診で処方が可能な医療機関も増えています。婦人科に行くのは不安という場合は、オンラインも含めて探してみてください。

コンドーム使用時の注意点

コンドームを使用する際は、以下の点に注意しましょう。

＜コンドーム使用時の注意点＞

コンドームには使用期限があります。期限が過ぎると劣化していき、破損しやすくなってしまうため注意が必要です。

また、ラテックス製のコンドームを使用する場合は、アレルギーにも注意しましょう。
男性・女性ともに、コンドーム使用後にかゆみや赤み、蕁麻疹などの症状が表れた場合はラテックスアレルギーの可能性が考えられます。使用を中止し、医療機関に相談してください。

ラテックスアレルギーがある場合は、ポリウレタン製のコンドームを選ぶといいでしょう。低用量ピルなど女性側の避妊方法を検討するのもおすすめです。低用量ピルだけでは性感染症予防にはなりませんが、高い避妊効果を得られます。

コンドームを正しく使用しましょう

コンドームの話をパートナーとすることを、恥ずかしいと感じる方は多いかもしれません。しかし、妊娠や性病のリスクを考えると、コンドームの使用はとても大切です。

日頃からパートナーと話し合い、しっかりコンドームを使用するようにしてくださいね。

性は人が生きていくうえで必要なことであり、恥ずかしいことではありません。男性・女性にかかわらず、性に対する意識を高め、自分の体とお互いの人生を大切にしていきましょう。

【参考】