アフターピルで副作用が出る!?安心して服用するための事前準備

公開日 2021-11-08 更新日 2021-11-08

記事監修医

フィデスレディースクリニック

松本智恵子先生

滋賀医科大学卒業。京都大学医学部婦人科学産科学教室に入局後、 大津赤十字病院、洛和会音羽病院などを経て、フィデスレディースクリニックで勤務。
産婦人科専門医、日本女性医学会会員。

望まない妊娠を避けるための緊急手段として役立つ、アフターピル。心強い存在ではあるものの、「副作用が心配」と、服用を躊躇している女性の方が少なくないかもしれません。

しかし、副作用がでたときの対処法を事前に知っておくことで、慌てずに適切な対応ができるようになります。

アフターピルの副作用

アフターピルイメージ

photo byAnna Shvets · 写真

アフターピルとして用いられるのは、黄体ホルモンのお薬です。

服用することにより、一時的に排卵を遅らせたり、子宮内膜の増殖を防ぐことで、避妊効果を発揮します。

しかし、アフターピルを服用すると、副作用がでるケースがあります。副作用でとくに多いものが、眠気と下痢、出血、吐き気、めまいです。

眠気

アフターピルには女性ホルモンが多く含まれていて、その作用によって眠気が引き起こされることがあります。
たとえば、生理中や低用量ピルを服用しているときに眠気を感じる方が多いですが、アフターピルでも同じような反応がでると報告され、また低用量ピルよりも強い眠気が出るとも言われています。

下痢

急激なホルモンバランスの変化が起こり、お腹が緩くなり、下痢をすることがあります。しかし、ピル自体は胃や小腸から吸収されるため、下痢を起こしても、効果に影響はありません。

出血

ホルモンバランスの急激な変化により、生理がきていなくても膣から出血する「不正出血」がおこることがあります。

服用から3日以降の不正出血なら、アフターピルによる人工的な生理だと考えられるため、問題はありません。しかし、出血量が多くて心配な場合は早めに婦人科を受診しましょう。

吐き気

ピルによる副作用で吐き気を感じることもあります。程度には個人差があり、「少し気持ちが悪い」と感じる方もいれば、「吐いてしまいたいほど症状が強い」と悩む方も少なくないと言われています。

めまい

「グルグル回る」「身体が揺れている」「身体がフワフワとして、落ち着かない」などの感覚や、立ちくらみがおこることがあります。吐き気や疲労感などを覚えるケースも多いです。

生理に影響が出るリスクは低い

一般的には、アフターピルの服用後に生理不順が起こるケースは非常に少ないとされています。

ピルを飲んでから3日後程度で不正出血がおこるケースもありますが、そのような場合でも、生理は正常な周期で起こります。月に2回生理がくるケースも報告されていますが、アフターピルの作用によるものだと考えられるでしょう。

不正出血や生理周期のずれが気になる場合には、婦人科に相談しましょう。

副作用は、いつまで出る?

アフターピルの副作用が出る期間は、一般的には24時間以内だとされています。一日たてば段々と症状が軽減されるため、慌てずに落ち着いて過ごしましょう。

副作用を恐れるあまりに服用が遅れると、避妊の成功率が低くなってしまいます。本来の目的である避妊に悪影響を及ぼさないよう、一日程度の不調が出ることを理解し、適切な形でピルを使いましょう。

副作用が出たときの対処法

体調不良イメージ

Photo by Kelly Sikkema on Unsplash

アフターピルによる副作用は一日程度で落ち着きますが、症状がでたときのためにできる対処法を知っておくことも必要です。

症状に合わせて薬を飲む

不快症状がでる場合には、薬を飲んで緩和させられます。頭痛薬や解熱剤、胃腸薬など、不調に合わせて薬を飲みましょう。

服用から2時間以内までは、嘔吐をなるべく避ける

アフターピルの副作用で、注意が必要なのが吐き気です。服用後に吐いてしまうと、ピルの成分が体外に出され、避妊につながらなくなってしまうことがあります。

それを避けるためにも、ピルの成分が体内に吸収しきれていない2時間以内は、なるべく吐くのを我慢する必要があります。心配な場合は、市販の吐き気止めをあらかじめ用意し、吐き気を感じたら服用しましょう。

万が一、2時間以内に嘔吐してしまった場合には、すぐにピルを処方してもらった医療機関を受診しましょう。同じピルを処方してもらい、もう一度服用します。

心配に感じる場合には、あらかじめ2回分を処方してもらえる医療機関もありますので、相談してみましょう。

眠気が強いときにはコーヒーを飲む

副作用による眠気で、仕事や日常生活に支障がでる場合には、コーヒーが役立ちます。コーヒーに含まれるカフェインが、眠気の抑制や集中力低下の防止に貢献してくれます。

ただし、コーヒーを飲むときには過剰摂取を避ける服用の前後30分以内は飲まないことを守りましょう。カフェインの過剰摂取は吐き気を誘発することがあります。
また、飲む時間が早すぎるとピルの成分吸収を左右してしまうことがあります。「ピルが体内に吸収される2時間までは避け、それ以上の時間がたって眠気を感じたら1杯のコーヒーを飲む」のが理想です。

症状が強くでる場合は、医療機関を受診する

あまりにも強く症状がでる場合、または症状が続いている場合は、医療機関で医師に相談しましょう。

ほかの病気が隠れていないか、ピルが体質に合っているかなど調べるために、専門家による判断が必要になります。

副作用を軽減するために、知っておきたいこと

症状がでたときの対処法を知っていれば、アフターピル服用後の不安を軽減できますが、事前になるべく避けられるようにしておくことも大切なポイントです。

副作用のリスクが低いピルを選ぶ

アフターピルには、『ノルレボ』『レボノルゲストレル(ノルレボのジェネリック薬)』『エラワン』を用いる方法と、『ヤッペ法』の4種類があります。

この4種類のうち、日本で承認されているものはノルレボとレボノルゲストレルで、副作用のリスクが低いです。これに対し、従来のアフターピルであるヤッペ法は副作用のリスクが高く、ほかのピルに比べて避妊成功率も低いとされています。

そのため、副作用を回避するのなら、ノルレボやレボノルゲストレルを選ぶといいでしょう。

医療機関で処方してもらう

身体への負担を抑え、安心してピルを使用するためには、安全なルートから購入することが鉄則です。必ず医療機関を受診し、医師の診察を受けたうえで処方してもらいましょう。

海外の輸入サイトから購入することも可能ですが、粗悪品や副作用が強いタイプを販売している業者も少なくありません。質の悪いピルでは避妊ができないどころか健康を害するリスクもあるため、個人輸入は避けましょう。

「医師と話すのが恥ずかしい」「病院に行く時間がない」という場合には、オンライン診療を活用するといいでしょう。医療機関によって対応が異なりますが、初診からオンライン診療が可能な病院・クリニックもあります。
また、副作用や体調不良がでたときに適切な対処を受けるためにも、医療機関で処方してもらう方が、はるかに安全性が高くなります。

まとめ

アフターピルによる副作用は、たしかに不安に感じられるものですが、事前知識を身につけることで対応でき、症状を緩和させられます。ほとんどのケースでは一日たてば症状が軽減するため、心配し過ぎる必要はありません。今回ご紹介した対処法を活用しながら、できるだけ確実な避妊につなげましょう。

【参照】

アフターピルはどんな副作用がある?副作用を抑える方法を解説! | プライベートクリニック高田馬場
副作用がほとんどないアフターピル、ノルレボって?価格や避妊率について解説|イースト駅前クリニック女性外来
アフターピルとは?効果や副作用は? | 東京ビジネスクリニック

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