1年で7000円節約!? お財布にも地球にもやさしい、次世代生理用品の月経カップをご紹介
最近は、生理用品も使い捨てナプキンやタンポン以外の新しい選択肢が増えてきています。フェムテックへの関心の高まりから、つらい生理を少しでも快適にしてくれるような商品に注目が集まっているようです。月経カップもそのうちの一つです。
一部ドラッグストアでも取り扱いが始まるなど、実物の月経カップを見る機会が増えてきていますが、他の生理用品に比べると普及率は低そうです。
そこで、約1年月経カップを使用した筆者が月経カップの基礎知識をシェアします!
環境への配慮や経済的メリットから、少しずつ使う人も増えている月経カップ。事前に使い方を知っておくことで、生理をより快適に過ごしたい人のヒントになればと思います。
月経カップとは?
次世代生理用品、月経カップ
月経カップとは、縦長のお椀型のシリコン素材でできた生理用品です。
細く折り曲げ、タンポンのように膣内に入れ、経血を月経カップ内に溜めて使用します。使い捨てナプキンやタンポンは経血をコットンに吸収させて使用しますが、月経カップは、経血を吸収せずに溜めておくところが大きな違いです。
膣の中で連続して使用できる時間が決まっているので、装着してから8〜12時間内に一度外す必要があります。交換時間になったら、カップに溜まった経血を捨て水で軽くすすげば、再び装着することができます。
繰り返し使えてエコな生理用品として注目
月経カップは、適切に使用すれば長くて10年も繰り返し使うことができるため、環境に優しい選択肢として近年注目されています。
生理中に出るゴミの量がぐんと減るので、環境に配慮した商品に関心をもったきっかけで使い始めている人も多いようです。
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月経カップはドラッグストアでも購入できる
少し前は、実際に手に取って購入できる場所は限られていましたが、最近ではドラッグストアでも月経カップの販売がされています。大手のドラッグストアの生理用品コーナーで販売されていることが多いようです。
筆者が実際に探してみたところ、下北沢周辺エリアでは5店舗中4店舗のドラッグストアで月経カップが売られているのを確認できました。(2022年4月時点)
月経カップを取り扱っていたドラッグストア(マツモトキヨシ、ウェルシア、ミネドラッグ、ココカラファイン)では、「ソフィ ソフトカップ」、「Nopra Cup(ノプラカップ)」、「フェアリーカップ」を置いている店舗が多い印象でしたが、店舗によって品揃えはまちまちのようです。
また、大手ドラッグストア以外だと、一部のCosme KitchenまたはBiople、ドン・キホーテ、産婦人科で月経カップが取り扱われていることがあるようです。1)
「いろんな種類の月経カップを見てから検討したい」と考えている人は、各月経カップメーカーのウェブサイトを参考にしてみても良いかもしれません。オンラインのほうがより多くの種類の月経カップが売られています。
月経カップに切り替えると、年間で7000円節約に
月経カップは繰り返し使うことができるため、経済的な生理用品として知られています。
初期費用に数千円かかるので高い印象を持つかもしれませんが、毎回の生理で使用する生理用品がかなり減るので、そのあとの出費が少なくなります。使い捨てのナプキンを使用している人と月経カップを使用している人の、それぞれの生理用品にかかるお金を計算してみました。
生理にかかるお金の目安を比較(ひと月分と1年分)
使い捨てのナプキンを使っている、経血量が多めの人の場合(筆者調べ)
ひと月分
1年分
ナプキンを使っている人の1ヶ月(1周期分)の生理用品にかかるお金は723円、そして1年分の生理用品にかかるお金は、8,676円という結果に。
月経カップとおりものシートを併用している人の場合(筆者調べ)
(月経カップ1個あたりおよそ4000円と想定したとき)
ひと月分
1年分
モレ防止用におりものシートと月経カップを併用している人は、ひと月で144円かかり、1年では1728円かかる結果でした。使い捨てのナプキンを使用している人と月経カップを使用している人では、年間でおよそ7000円もの差が。(月経カップの初期費用の4000円を除いた場合)
月経カップの値段はメーカーによって異なりますが、相場は4000円ほどです。
ナプキンを使っている人が月経カップに切り替えれば、およそ5〜6ヶ月で月経カップ1個分の出費がおさえられることがわかりました。
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月経カップを使ってみてわかったメリット・デメリット
1年間使い続けた筆者が、月経カップのメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット
1.経血が多い日も安心
「経血が多いと月経カップは使えない?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
1回の経血量は、20〜140mlだと言われており(個人差があります)2) 、月経カップは通常30〜40mlの経血を溜めることができます。(カップの種類によります) 一方で、タンポンの吸収量は月経カップの3分の1だと言われています。
基本的には経血がカップから溢れることはありません。経血量が多い人で心配であれば、指定の交換時間より早めにカップを取り外し経血を流して、一度カップを空にしてください。
使い捨てのナプキンやタンポンの吸収量よりも同量か、それより多くの経血を溜めることができるので、経血が多い人や、忙しくてなかなかナプキンやタンポンを取り換えることができない人こそおすすめです。
2.生理用品のゴミがぐんと減る
月経カップは繰り返し使うことができるため、購入から数年間の使用が可能です。短いものは3年、長いものだと10年間使用することができます。
驚くことに、生理用品は海で5番目に多く見つかるプラスチックゴミであると言われています。月経カップに切り替えれば、ゴミが格段に減るので、環境にも配慮して生理を過ごすことができます。同時に、購入する生理用品も少なくて済むので節約にもつながります。
3.ニオイ・ムレの心配なし
生理中、多くの人が気になるのが、経血のニオイとムレ。
ニオイやムレが起こってしまうのは自然なことですが、少しでも防ぐことができれば嬉しいですよね。
ニオイは経血が外の空気に触れるときに発生します。ナプキンの構造上、これを抑えることは難しいでしょう。
月経カップは、空気に触れずに膣内のカップに経血が溜まるしくみなので、ニオイがほとんどありません。膣内にカップ全体が収まるので、ムレる心配も減ります。そのため、湿気の多い夏場の生理に、とくにおすすめです。
4.お風呂上がりにゆっくり着替えられる
お風呂から上がったあと、着替えている間に経血が垂れてきてしまったり、タオルや床を汚してしまった経験はありますか?
お風呂場から出る前に月経カップを装着しておくと、経血が垂れてくる心配がないので、ゆっくりと着替えることができます。
筆者は、お風呂に入るときに取り外して、お風呂から上がるときに装着をすることが多いです。そうすることで、お風呂上がりにバタバタと着替える必要がなく、快適に過ごすことができます。
デメリット
1.購入前のリサーチが必要
快適に月経カップを使用するためは、自分の体にあった月経カップを見つけることが大切です。さまざまな形・大きさ・硬さの月経カップがありますが、好みは人それぞれ異なります。
自分にあったカップを見つけるまでに、さまざまなカップを試さなければならない人もいるかもしれません。
2.お風呂場やトイレが汚れてしまうことも
使い捨ての生理用品に比べると、月経カップの取り外しは難易度が高めです。月経カップを使い始めの頃は、挿入に時間がかかったり、うまく取り外しができず、不快感や痛みを感じることがあります。
取り外すときに勢いあまって、月経カップに溜まった経血をこぼしてしまうアクシデントもあるようです。
これは何回か練習することで、コツを掴むことができます。まずは家のお風呂場やトイレなど、ある程度広さのある、汚れても問題のない場所で取り外しを行うと良いでしょう。
3.定期的な消毒が必要
月経カップは繰り返し何年間も使用できますが、メーカーの説明にそった、適切な手入れが必要です。煮沸消毒とスチーム消毒が、一般的な消毒方法です。
安全に使用するためにも、生理の始めと生理の終わりに1回ずつ、必ず消毒を行いましょう。
4.爪が長いと取り外しが大変
月経カップの交換時間(装着から8〜12時間)になったら、一度カップを取り外して中身を空にします。このときに、持ち手(ステム)を力ずくで引っ張って取り出すのではなく、膣内に指を入れてカップの底を掴んでスルンと取り外します。
膣内にしっかりと指を入れないと、カップの底がつかめません。爪が伸びている人やジェルネイルをしている人は、指を入れたときに膣内を傷つけやすいので気をつけてください。このときに経血で指が汚れてしまうことも留意しておきましょう。
意外と簡単? 月経カップの使い方
1.生理がはじまったら挿入の前に消毒
生理の始まりと終わりの合計2回、消毒をする必要があります
こちらでは、もっとも一般的な煮沸消毒をご紹介します
カップに水がかぶさる深さの鍋に水を入れ沸騰をしたら、そこに月経カップを入れます(メーカーが推奨している方法にしたがって、決められた時間、煮沸を行ってください)
2.好みの折り方で挿入
挿入前は石鹸で手をよく洗います
自分に合う折り曲げ方でカップを折ったら、膣に挿入します
3.指でカップの位置チェック
挿入できたら、正しい位置にカップがあるか確認します
膣内のカップを指で丸くなぞって、フチが完全に広がっているか確認します
4.取り外しはゆっくりと
取り外しを行うときも、手をよく洗います
片方の手でステムをつかみながら、もう片方の手でカップの下部分を親指と人差し指を使って軽く押しつぶします
カップを左右に動かしながら、下にゆっくりと降ろします
ゆっくりと取り出し、カップに溜まった経血はトイレやシンクに流します
5.軽くゆすいだら再挿入してOK
シミ汚れを防ぐため、まず冷水ですすぎます
水または専用ソープを使って全体を洗ったら、また使用することができます
6.生理が終わったら消毒して通気性の良いところで保管
生理が終わったら、生理が始まった日と同様に消毒をします
水気を切り、完全に乾かします
次回の使用時まで、通気性のある場所で保管します
月経カップの使い方についてはInstagramでリール投稿をしているので、こちらもご覧ください。
筆者より
月経カップのアドバイスで「月経カップを使い始めたばかりの頃は、自分のペースで練習を行うとよい」というのをよく聞きます。
確かに、月経カップの挿入はナプキンやタンポンよりも難易度が高く、筆者も何度か失敗することがありました。うまくカップが開いていなかったり、適切な位置まで十分に入っていなかったことなどが原因だったようです。そのため、慣れないうちは取り外しを行うだけで疲れてしまうこともありました。
使い始めて2,3ヶ月くらいにすると、やっとコツをつかんだ感触があり、タンポンを挿入するのとほぼ同じ時間で挿入ができるように。やはり、回数をこなして練習する価値はあるのだと思います。しゃがんでみたり、便座に座ったり、立ってみるなど、自分がどんな体勢でカップの取り外しを行うのがラクなのか、試してみるのも良さそうです。
中級の記事では、より詳しい月経カップについての情報をご紹介しています。この記事を読んで月経カップについて気になった人は、ぜひチェックしてみてください。
参考サイト
1)月経カップはどこで買える?薬局やドンキで売ってるってほんと?|売ってるちゃん|note2)月経について | 女性特有の健康課題 | 働く女性の健康応援サイト
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この記事を書いた人
性教育・フェムテック領域に興味津々な20代のメンバーで構成される、ピルモット編集部による記事です。