初開催のFemtech Tokyoへ行ってきました!

公開日 2023-02-16 更新日 2023-02-16

2022年10月20日(木)〜22日(土)に、国内最大規模[1]のフェムテックイベント「Femtech Tokyo」が開催されました。初開催にもかかわらず、会場の東京ビッグサイトにはおよそ200社の企業が参加し、3日間で14,123名[1]の方が来場する盛況ぶり!

3日間行われたトークセッションでは、さまざまな分野の専門家や著名人によって女性の健康課題について話し合われるなど、参加する人が自分の体と向き合う機会となりました。

そんなFemtech Tokyoの1日目の様子をピルモット編集部がレポート。編集部メンバーがとくに気になった展示やトークイベントの様子もご紹介していますので、ぜひご覧ください!

国内最大規模のフェムテック展示!

「生理・月経ゾーン」「プレ更年期・更年期ゾーン」「妊娠期・産後ゾーン」「妊娠期・産後ゾーン」「妊活・妊よう性ゾーン」「すべての女性向けゾーン」の5つのエリアで構成された大きな会場に、女性の暮らしを快適にする商品やサービスがたくさん並びました。

過去に他のフェムテックイベントへ行ったことがあった筆者でしたが、ここまで大規模なフェムテックイベントは初めて!広いブースで展示1つ1つをじっくりと見ることができ満足でした。

イベント入口

ビジネスデーと一般デーの計3日間開催

イベントブース

筆者が行った1日目がビジネスデーだったこともあり、フェムテックに関連した企業の来場者が多く目立ちました。出展社と来場者が商談できる場として、協業や商品開発の相談、福利厚生としての導入の検討などに役立てていた人もいたようです[2]

イベント最終日は一般の人も解放され、年齢や性別問わず幅広い層の来場者が集まり、直接商品を手に取り購入をしたり、最新のフェムテック情報を知ったり、自分の健康についての理解を深める機会になったようです。

国内の最新フェムテックを知りたい人におすすめ

初めてFemtech Tokyoに参加した感想は「まだまだ知らないフェムテックがたくさんあるんだな」ということです。普段からフェムテックやフェムケアについて発信をしている筆者でも、今回のイベントで初めて知った商品・サービスが多くありました。参加していなければ出会えなかったような商品やサービスが1つの会場に集まる点が、このイベントの醍醐味かもしれません。

イベントブース2

展示されているもののなかには、まだ開発中の製品や今後ローンチを控えているものがあったり、国内の最新のフェムテックが集まっていました。国内のフェムテック業界の動向を知る良い機会にもなりそうです。

記事の後半でも紹介していますが、そういった商品やサービスを開発者や担当者に説明してもらうことで、商品の魅力や必要性にも気づくことができました。商品をつくるにあたってこだわった点や、その商品を使うシーンをイメージできるような説明があると、ハードルが高いイメージを持ってしまいがちのフェムテックを自分ごととして少し身近に感じられるかもしれません!

「フェムテックっては具体的にどんなものがあるんだろう?」
「自分の悩みにあったフェムテックを知りたい!」
「これから注目されるフェムテックが知りたい!」

そんな人におすすめのイベントと言えそうです。

有識者や著名人によるセミナーも実施

フェムテック業界の有識者と有名企業によるトークセッションでは、国内フェムテックや女性の健康にまつわる選択肢や課題などについて話し合われました。

イベント1日目は、衆議院議員兼フェムテック振興議員連盟会長の野田聖子議員や、産婦人科医の重見大介先生、フェムテックを導入する企業5社ほかが登壇。

また一般デーには、産婦人科医の宋美玄先生を講師に、ゆきぽよさんと潮田玲子さんと学ぶフェムテック基礎講座や、妊活を経験した安田美沙子さんとシオリーヌさんによる妊活のリアルトーク、益若つばささん、辻愛沙子さん、長谷川ミラさんが、生理のホンネを語る座談会なども行われました。

タレントから、スポーツ選手、起業家や国会議員まで、さまざまな視点からフェムテックや女性の健康を考えるとても充実した内容でした。

伊勢丹のバイヤーによるトークイベント

ピルモット編集部メンバーは、イベント1日目に行われた伊勢丹バイヤー2名のトークイベントに参加!

登壇したのは伊勢丹新宿店本館3階の「マ・ランジェリー」を担当している染谷雄佑さんと本館地下2階「ビューティアポセカリー」を担当する坂本桂子さん。

「フェムテック」という言葉が普及するかなり前からフェムテックやフェムケアアイテムを導入してきた伊勢丹新宿店。多くのお客さんと接してきたバイヤーならではの目線で、フェムテックを語りました。

筆者が印象に残ったのは、フェムテック商品を販売するときに心がけている接客のポイントについてのお話です。

店舗の売り場を訪れる人には、フェムテックに馴染みのないお客さんもまだまだ多いことから、まず初めに知識豊富な販売員がお客さんの悩みや要望を聞き、幅広い品揃えからその人に合いそうな商品を厳選。そして丁寧に商品の説明をします。最終的には、提案した選択肢のなかからお客様自身に選んでもらうことで、「選択肢の幅を広げる品揃え」のなかから「幅を狭めていく接客」を行っているのだそうです。そういった「モノ(商品)軸ではない、売り手側の事情ではない接客」を坂本さんは強調されていました。

現状、フェムテックの分野はまだまだ「情報過多」だと感じるそうで、インプットが多すぎるあまり悩みをアウトプットする場が限られているなど「お客さんが自分にあった商品をなかなか見つけられない」といった消化不足問題も指摘していました。

そこで今後はイベントやPOPUPの開催し、お客さんにフェムテックを知ってもらう機会を増やしたり、コミュニケーションの機会を増やすことで、お客さんの声から店舗の商品の進化につなげることを目指すそうです。

学びのある充実したトーク内容であったことはもちろん、フェムテックに関わる情報を発信するメディアとして、ピルモット編集部メンバーも共感することがある内容でした!

ピルモット編集部が気になったブース

ここからは、Femtech Tokyoで出会ったたくさんの商品・サービスから、編集部が気になった国内発のフェムテックを4つピックアップ!これからリリースを控える注目の商品やサービスたちです。

1.全国に拡大中の生理ナプキン無料提供サービス

全国の商業施設や学校の個室トイレで生理ナプキンを無料で受け取れるサービスを提供する「OiTr(オイテル)」。2023年2月時点で、176の施設に2420台[3]も導入されているので、お近くの商業施設などで見たことがあるという人もいるかもしれません。

専用アプリをディスペンサーに近づけると生理ナプキンが1枚出てきます。ブースでは実際に生理ナプキンの受け取りを体験できるコーナーも。

設置場所は公共施設ばかりかと思いきや、渋谷のクラブにも設置されているんだそう!そういった、なかなか生理用品を持ち歩くことがないシーンも想定して導入されているのは、使う側として嬉しいなと思いました。

2.痛くない次世代乳がん検診

呼気乳がん検査キット「VOCs(ヴォックス)」は、多くの人がもつ「乳がん検診=痛い」というイメージを変えてくれる革新的なアイテム。

息を吹きかけるだけで検診が完了という、まったく新しい検診の形を提供してくれます。VOCsが普及し検診率が上がれば、乳がんの早期発見や早期治療にも期待ができるでしょう。

将来はドラッグストアやコンビニでの展開も検討されているそうで、検査結果をいつでも確認できるようになるなど検診がもっと身近なものになりそうです。

3.日本初の使い捨て月経ディスク

月経ディスクMOLARA

月経カップユーザーの筆者が個人的に気になった商品がこちら。国内で初めてつくられた使い捨てタイプの月経ディスク「MOLARA(モララ)」です。

MOLARAを試した人からは「タンポンより入れやすかった」「小さいバッグでも入れられる」「使い捨てが嬉しい」という前向きな声が集まっているんだそう!

とても薄く、持ち歩いても生理用品だとわからないほどのコンパクトさなのに、最大12時間も使用可能なんだそう。今年2月10日より発売が予定されている、いま注目のフェムテック商品です!

4.経血量測定機能付き吸水ショーツ

Bé-A吸水ショーツ

昨年6月の発表から話題になっていた「Bé-A(ベア)」の「経血量を測定できる吸水ショーツ」のプロトタイプがお披露目されました。

今までは自分の感覚でしか分からなかった経血量を、小型の通信機器がついた専用のショーツが測定し、生理周期別・日別・時間毎にスマホで確認することができます。

ショーツを履くだけで経血量がわかる手軽さだけでなく、「最近経血量が安定していないから病院行ってみようかな」というように、婦人科に行く目安になったり、疾患の早期発見にもつながるのではと、今もっとも注目されている吸水ショーツです。

さいごに

昨年の10月に東京ビッグサイトで行われた大規模フェムテックイベント「Femtech Tokyo」の様子をご紹介しました。

最近ではフェムテック関連のイベントが次々と開催され、なかなかオープンに話せなかった女性の心身の悩みについて話せる場が増えるなど、明るいムーブメントが起こっているのですね。生理だけではない、更年期や妊活などの他分野のサービスや商品に出会う良い機会となりました。

こちらのイベントは今年の開催(ビジネスデー:10月5日〜7日、一般公開デー:10月7日)も予定されているので、気になる人はチェックしてみてはいかがでしょう。

[1]Femtech Tokyo Sets the Stage for a Promising Femtech Future - PR.com
[2]来場のご案内 | Femtech Tokyo
[3]Spot | OiTr

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