「そろそろ結婚しないの?」「ずっとキッチンにいるのは女性」お正月の帰省で私がモヤっとする理由。
「そろそろ結婚しないの?」
「女性なんだからご飯やお酒の準備よろしくね」
「子どもはいつ産むの?」
帰省したときに筆者が耳にした言葉たち。言う方に悪気はないんだろうけど、 言われた方は何だかモヤっとしますよね。
今日はそんなモヤモヤをすっきりさせるために、帰省中のモヤっとする瞬間4選とその理由について深堀りしたいと思います!
帰省中のモヤっとする言葉4選
1.「彼氏は作らないの?」
心の声:一人の時間も楽しいし、友達と会うから寂しくないしな...
2.「結婚はまだ?」
心の声:結婚したかったらするけど、一人暮らしは快適だし結婚したいと思わないしな...
3.「子どもはいつ?早く産んだ方がいいよ」
心の声:産むも産まないも自分で決めたいな〜
4.「女性はご飯やお酒の準備をして当たり前」
心の声:みんなで食べたり飲んだりするものはみんなで準備したいな...
帰省中は、いつも以上に「恋人はいた方がいい」「結婚した方がいい」「子どもを早く産んだ方がいい」「女性は家事すべき」という考え方に触れることが多いと思います。お正月くらい楽しく過ごしたいのに、モヤモヤしてしまうのはどうしてなのでしょう。
女性ばかり家事している状況にモヤモヤしている私っておかしい?
筆者は以前、「こんな言葉を発言をした人にも悪気はないし、母や祖母も当たり前のように家事をしているから、モヤモヤする私がおかしいのかな?」と思ったことがありました。ですが、モヤモヤを感じることは全くおかしいことではありません。このモヤモヤの正体を一緒に見ていきましょう!
ときはさかのぼり明治時代...父や長男などの男性がリーダーとして家族をまとめてリードする「家制度」がありました。しかし、戦後にはこの「家制度」は廃止されています。
家制度が廃止されたにも関わらず、今でも「家族の中では父や長男がリーダーだからそのほかの家族は彼らに従う」という慣習が残っています。
さらに、高度経済成長期に「男性は仕事、女性は家事」という性別によって役割分担される考えが広がったことで、今もその慣習が残っているところでは「お正月にキッチンで家事をしているのは女性ばかり」という状況が作られています。
Q:では、家事をする理由に「女性だから」という言葉は妥当なのでしょうか?
A:そんなことはないです。
日本国憲法にこのようなことが書いてあります。
憲法14条
「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」
憲法24条
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」
ここから、「女性だから」という性別を理由にしたり、カップル内で上下関係が出来たりすることは妥当ではないことがわかります。性別によって役割を周りから決められるのではなく、個々人の選択が尊重されるべきなのです。
結婚や子どもを持つことだけが幸せなのか?
「女性は家事ができるようにならなきゃ」「結婚して子どもを持つのが幸せ」という価値観に触れてきていると、結婚したり子どもを持ったりすること以外に選択肢はないのか、と思うときもありますよね。ですが、そんなことはありません。
私たちは生まれたときから、自分の性と生殖について自分で決められる権利を持っています。結婚するか・しないか、子どもを産むか・産まないか、産むならいつ・何人産むかも、周りの人ではなく本人が決められるものです。
何が幸せかは人それぞれです。結婚するという選択も、しないという選択も、子どもを持つという選択も、持たないという選択も、すべて尊重されるべきものなのです。個々人の人生に関することは、その人自身が決めてよいのです。
さいごに
今回はお正月に感じるモヤモヤについて深堀りしてみました!人生における選択はいつだって、その人生を歩む本人が決めることなのです。そして、ご自身が選んだことはどんな選択であっても尊重されるべきものです。みなさん一人一人にとっての幸せをお互いに大切にしあえたら最高ですね。
【参考】
「○○家の嫁」意識なぜ残る GHQと日本側の攻防「家」制度なくなったのに… 嫁、主人、家父長制 結婚後の現実:朝日新聞デジタル
知ってる?私たちのSRHR|SRHRとは|知る
8 関係法令|内閣府男女共同参画局
日本国憲法|e-Gov法令検索
<くらしの中から考える>結婚後の名字:東京新聞 TOKYO Web
この記事を書いた人
性教育・フェムテック領域に興味津々な20代のメンバーで構成される、ピルモット編集部による記事です。