意図しない妊娠をしたときの選択肢になり得るー緊急避妊薬や人工妊娠中絶手術に関する基礎知識

公開日 2022-04-08 更新日 2022-04-08

意図しない妊娠を防ぎたい場合には、避妊という方法をとると思いますが、ご存知の通り、避妊具の効果は100%ではないため、妊娠する可能性もあります。

もし、意図しない妊娠をしたとき、どのような対応をすればよいか知っていますか?
今回は、妊娠を希望していないけど「もしかして妊娠?」と思ったときにできる対応や、万が一のときに知っておきたい人工妊娠中絶手術についてご紹介します。

避妊をしなくて・できなくて不安な場合ー性交渉直後なら緊急避妊薬で対応可能

避妊をせずに性交渉をした場合やコンドームが破けてしまった、うまく避妊ができているか不安……
そんなときには緊急避妊薬(アフターピル)を使用することで、妊娠を防ぐことができる場合があります。

緊急避妊薬は、医師の処方が必要です。現在、2種類の緊急避妊薬があり、国内で初めて認可された「ノルレボ錠」は、性交渉の72時間以内に服用することで7割から8割の避妊効果があるといわれています。
また、海外では主流の「エラワン」は性交渉の120時間以内に服用することで、高い避妊効果があるといわれています。「エラワン」は取り扱いをしていない医療機関もあるようなので、ご確認を。

性交渉後に不安がある場合は、なるべく早く医療機関を受診して医師に相談しましょう。
副作用は頭痛や吐き気、眠気や不正出血などの症状が現れる可能性があります。厚生労働省が、緊急避妊に係る取組について|厚生労働省緊急避妊にかかわる対面診療が可能な産婦人科医療機関等の一覧を公開しているので、受診の際にはこちらも参考にしてくださいね。

妊娠していることがわかったー中絶できるのは22週まで

妊娠検査薬イメージ

生理がこない、なんだか調子が悪い……妊娠している可能性があるかもと思ったら、まずは妊娠検査薬を使ってみましょう。

妊娠4週目頃から、妊娠検査薬で感知できる量の妊娠ホルモンが分泌されるため、生理予定日の約1週間後くらいから妊娠検査薬で確かめることができます。
最短で生理の予定日から検査できる妊娠検査薬もありますが、妊娠ホルモンが分泌される量は個人で差があるといわれており、検査薬で陽性になった場合でも、医療機関で正式に確認してくださいね。

人工妊娠中絶手術はいつでも受けられるわけではなく、手術を受けられる週数は妊娠22週未満(21週6日)であると、母体保護法で決まっています。
妊娠週数の数え方は、性交渉をした日から計算するのではなく、最後に生理がきた日を0週0日として計算します。注意してくださいね!

妊娠の周期によって手術の方法は異なる

また、妊娠週数によっても人工妊娠中絶手術の方法は異なります

妊娠12週未満(11週6日まで)は初期中絶手術と呼ばれ、吸引法またはソウハ法という方法が取られます。10~15分程の手術で済むことが多く、痛みや出血も少ないため、問題が無いようならその日のうちに帰宅することができます。
妊娠12週以降、22週未満(21週6日まで)の場合は中期中絶手術と呼ばれ、出産をするのと同じように分娩する必要があります。体に負担がかかるため、通常は1日~数日程度の入院が必要になります。

また、妊娠12週以降の中期中絶手術を行うことができる医療機関と初期中絶手術のみを行う医療機関がありますので、事前に確認しておきましょう。

中絶する場合にかかる費用は?

中絶にかかる費用についても、妊娠12週未満(11週6日まで)の初期中絶手術と妊娠12週以降、22週未満(21週6日まで)の場合の中期中絶手術で異なります。
また、医療機関や週数によっても異なり、初期中絶手術は8~18万円ほどの開きがあります。中期中絶手術は50~70万円ほどかかります。

知っておきたい「出産育児一時金」

中期中絶手術の費用については、加入している健康保険から支払われる「出産育児一時金」を利用することができます。

流産や死産、人工妊娠中絶の場合も、妊娠して4カ月(85日)以上であれば出産とみなされ、出産育児一時金として42万円が支給されます。(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産の場合は40.8万円)。「出産育児一時金」を費用に充てることで、実際の支払金額は10~20万円ほどになります。

人工中絶手術は保険適用されない

人工妊娠中絶手術は、自費診療のため保険が適用されません。詳しい費用については各医療機関に確認してください。

いずれにしても、手術の費用は時間が経つほど高額になりますので、現段階では妊娠を望まなくて「妊娠かな?」と思った時には、なるべく早く医療機関に相談しましょう。

人工妊娠中絶手術に伴う体への影響は?

イメージ画像

初期中絶手術を受けた場合は、痛みや出血なども少ないと言われています。一方、中期中絶手術は、分娩をするため、人によっては陣痛や分娩に伴う強い痛みを感じることがあります。

一般的に出血や薬剤による発熱、下痢、また疲労や産後の体調不良を感じるなど、体に負担があるため数日間の入院が必要となります。強い陣痛促進剤を使うため、子宮破裂・出血多量の可能性も考えられます。

人工妊娠中絶手術をする場合に必要な手続き

人工妊娠中絶手術を受ける場合、母体保護法によって手術を受ける本人とパートナーの署名・捺印のある「同意書」を提出する必要があります。
また、未成年者の場合は、保護者・親権者に同意してもらわなければいけません。もし、パートナーも未成年の場合は、パートナーの保護者・親権者の同意も必要となります。
レイプ被害、相手がわからない、相手が死亡しているなど、パートナーの同意やサインがなくても手術を受けられる場合がありますので、医療機関に相談してみてください。

また、術後にもやるべき手続きがあります。12週以後の中絶手術を受けた場合は、7日以内に死産届を役所の戸籍係に提出し、胎児の埋葬許可証をもらって埋葬することが必要です。

自分の心と体のため、パートナーと「中絶」について話しておこう

避妊したくない、面倒、今日くらい大丈夫……
そんな風に流れに任せて避妊をせずに性交渉をしてしまうこともあるかもしれません。

でも、意図しない妊娠をした場合、女性は心と体に負担を感じたり、ダメージを受けてしまう可能性もあります。
さらに、人工妊娠中絶手術を受ける場合にはお金も相当かかりますし、未成年の場合には保護者に同意を得なくてはいけません。

今後、パートナーと一緒にいたいと考えているのであればなおさら、意図しない妊娠をしたときに起こることを二人でしっかり知っておきたいですね。
「記事で読んだんだけど」とこの記事をきっかけに、中絶についてぜひ話してみてくださいね。

【参考】

緊急避妊に係る取組について|厚生労働省
出産育児一時金の支給額・支払方法について
人工妊娠中絶について教えてください。 – 日本産婦人科医会
出産育児一時金について | よくあるご質問 | 全国健康保険協会
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