フィデスレディースクリニック
松本智恵子先生
滋賀医科大学卒業。京都大学医学部婦人科学産科学教室に入局後、
大津赤十字病院、洛和会音羽病院などを経て、フィデスレディースクリニックで勤務。
産婦人科専門医、日本女性医学会会員。
フィデスレディースクリニック
松本智恵子先生
滋賀医科大学卒業。京都大学医学部婦人科学産科学教室に入局後、
大津赤十字病院、洛和会音羽病院などを経て、フィデスレディースクリニックで勤務。
産婦人科専門医、日本女性医学会会員。
避妊や生理痛の改善について調べていると「ミレーナ」という言葉を目にすることがあるかもしれません。
ミレーナは、子宮内に装着し、レボノルゲストレルという女性ホルモン(黄体ホルモン)を子宮内に直接放出することで、妊娠を阻止したり、過多月経や月経困難症の治療法としても注目されている子宮内システムです。
女性が選択できる効果的な避妊方法の1つではありますが、「子宮の中に入れるし、外れないの?」「外れたらわかる?」という疑問が湧いてくるかもしれません。
今回は、そんな疑問を解決します!
ミレーナを子宮内に装着しているときも、通常は日常生活が制限されることはありません。また性交渉に影響することもほとんどありません。
しかし、まれに自然に外れてしまう(脱出する)ことがあり、国内で行われた臨床試験では、装着後1年間の脱出率は1.5%と報告されています。外れてしまう確率は高くはありませんが、ミレーナが自然に外れることは「ある」といえます。
ミレーナの添付文書には「使用者が気付かないうちに脱出することもありうる」と書かれています。
ミレーナを装着すると、数日~数カ月間は生理の時期以外にも出血がみられることがあります。留置期間が長くなると安定してきますが、生理の出血量が多い場合は、排出された血の塊の中に混ざっていて気が付かない可能性があります。
ミレーナが外れても気がつかないこともありますが、出血や下腹部の痛みがある、腰痛が続くなどの症状がみられる場合や違和感がある場合は、外れている可能性があります。
このような症状がある場合は、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
ミレーナが部分的に出てきてしまった場合は、避妊や月経困難症を緩和する効果が低下する可能性があります。
また、正しい位置にない場合は一度ミレーナを取り除いて、新しいものを装着する必要があるので、この場合も医療機関を受診してくださいね。
子宮腔長が比較的短い場合、子宮腺筋症(子宮筋層厚が5cm以上の場合)、子宮筋腫(筋腫が2cm以上の場合)、筋腫のある場所が子宮内膜に近い場合、ミレーナが外れる確率が高くなると言われています。
子宮腔長や子宮筋腫は自分ではわからないこともありますので、装着時はもちろん、外れてしまったときに医師と状況を確認して相談すると安心です。
ミレーナが外れてもわからないことがある・・・というと少し不安ですが、自分で子宮の中にあるのを確認する方法があります。
ミレーナにはミレーナを取り外すときに使う除去糸があり、装着時には子宮口付近で除去糸を確認することができます。確認のときに除去糸を引っ張ると、ミレーナの位置がずれることがありますので、引っ張らないようにしてくださいね。
もし、除去糸が見つからない場合には、ミレーナが外れてしまっている可能性があります。その場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
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外れてしまった場合、自分で直すことはできません。
万が一、位置がずれてしまった場合にも、医療機関で一度取り出してもらい、新しいものを正しい位置に入れる必要があります。
ミレーナはまれに外れることがあります。外れても自分ではわからない場合もありますが、出血や痛みなどがある場合は、ミレーナが外れてしまっている可能性が考えられます。
外れている以外にもずれている可能性があります。その場合は、ミレーナの効果を十分に発揮できず新しく装着し直す必要があるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
ミレーナを適切に使用しないと避妊などの効果を十分に発揮することができないので、装着位置や出血の状況などを確認する定期検診を受けることがとても重要です。
ミレーナを装着した医療機関で、定められた定期検診を受けましょう。正しく装着して、安心して過ごしていきたいですね。
【参考】
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「ミレーナ」って知ってる?新しい避妊方法のメリット・デメリット
避妊については、疑問があっても、まわりに相談するのはハードルが高いかもしれません。避妊の方法はいくつもあり、それぞれにメリットもデメリットもあるものです。
この記事を書いた人
FMラジオ放送局、IT系企業での仕事人生活を経て、フリーランスライター。
生理を扱う地上波番組やがんサバイバーの女性の暮らしをサポートするアイテムに関する記事執筆、
フェムテック関連の記事の制作を担当するなど、「誰もが自分らしく輝く」ことができるような情報発信を
心がけています。そのほか、メディア媒体、企業のオウンドメディア、 企業サイトのコンテンツ制作など、
さまざまな分野のライティングに携わっています。